二水会部

● 11 月二水会の報告●


日 時:11 月 16 日(水)午後 8 時より

演 題:領事業務の電子化に向けて

講 師:園部 健治様
会 場:Zoom スクリーン上

参加人数:35 名

今年 3 月に開かれた JA25 周年祝賀会で、在英日本大使館からご出席いただいた川瀬公使兼総領事にご挨拶する機会をいただきました (川瀬公使兼総領事にご紹介いただいた JA 会員の方には、どうも ありがとうございました!)。その場で、大使館から二水会部への「出 演」をお願いしたところ、快諾いただき、園部参事官兼領事をご紹介いただきました。
演題は「領事業務の電子化に向けて 」ということで、流石に「世界 各国のスパイ活動について」と映画のような話を聞ける訳ではない と思いながらも(僕個人の妄想でしょうか。!? )、最近のデジタル化 について話を聞ける機会だと楽しみでした。二水会部の前日に、一 時帰国の日本から戻って来ましたが、3 年ぶりの帰国の際に、税関 の申告が電子化されていることを知り、日本でもデジタル化が進み つつあることを実感していたところでした。 行政手続きをデジタル化するというのは、日本政府の課題となって いるとのことでした。英国と比較して、日本はまだまだ追いついて いないというお話があり、日本では、コロナになってから、スマホ での決済、交通系カードでの支払いが進んできたものの、園部さん が、20 年前に英国大使館に赴任していた頃から、デビット・カード での決済が行われていたとのこと。僕が 3 年ぶりに日本に帰国して 気がついたのは、マスクの着用が必要なことは脇に置いておくとして、 ほ と ん ど 全 て の 店 や タ ク シ ー で 、支 払 い が S u i c a な ど の プ リ ペ イ ド カ ー ドでできることと、クレジットカードでも、1 万円以下であればサイ ン・暗証番号入力なしの決済が可能ということでした。プリペイドカー ドへの入金以外には、ほぼ現金に触れる機会はなかったので、よう やく日本でもキャッシュレス化が進んでいたのを感じました。 日本の遅れの原因は、役人がユーザーの視点で考えていないことや、 役所に IT の人材が不足していることなどが原因と言われている、と のお話でした。現在では、デジタル庁が昨年 9 月に設立され、電 子化が進んできていて、外務省でも DX(デジタル・トランスフォーメー ション)により、チャットボックスを使うことなどによる業務の効率 化と、テレワークなどによる外交自治体制の強化に取り組んでいる とご紹介がありました。 領事サービス向上のためのアンケートも毎年行なっていて、その中で、 オンライン申請と現金以外の支払いを可能にして欲しいとの声は、 随分前からあるとお話がありました。確かに、僕がパスポートの更 新で大使館に行った際に、カードでの支払いはできないのかと、窓 口で尋ねたことがあることを思い出しました。電子化を求める声は、 英国以外でも要望が強い項目で、課題であったとのことでした。 大使館の行政手続きは、直接訪ねて直筆による申請が前提となって いますが、在留届(ORR ネット)に移行することにより、紙での申請 に加えてオンライン申請が可能になるとご紹介がありました。そう

することにより、申請はオンライン、受け取りは大使館へ行くという 形で、従来の 2 回から1 回に減らすことができるとのお話がありま した(有効期間内のパスポート(旅券)で、名前の変更等がない切 り替えの場合)。 手数料の支払いについては、クレジットカードだけではなく、デビッ トカードでもできるようにする予定となっていますが、注意点として は、オンライン申請を利用した場合に限るということでした。オン ライン申請を行うためには、自分の情報が電子情報として大使館に 登録されている必要があるため、ORR ネットへの移行が基盤となる ということでした。この原稿を書くにあたり、僕個人の過去のメー ルを「ORR」で検索したところ、ORR 手続きが完了しているメール が出てきました(全く覚えていませんでした。)。

2023 年 3 月 27 日から、パスポートの有効期限が 1 年未満の場合は オンライン申請が可能となるとのこと。その他の申請も、3 月 27 日 を目指してオンライン化を進めているとのことでした。紙での申請と、 オンラインでの申請は別物である、ということでしたので、オンラ イン申請ができる状態に登録しておく必要があるようです。現在手 続きを整理中とのことでしたので、今後の連絡を要チェックです! 質疑応答では、運転免許証の切り替えが、英国でできないかとの 質問がありましたが、警察庁が情報を出さないため、在外公館での 切り替えはできないとのお返事がありました。 パスポートの有効期限が切れた後の発行に必要となる、本人確認の ための戸籍謄本・抄本の取得を大使館・領事館で手続きできるかど うかという質問には、2023 年 3 月 27 日以降については戸籍抄本は 使用できなくなり、戸籍謄本の取得は本人が市町村から取り寄せる 必要があるとのことでした。

ORR への切り替え方法は、直接大使館に行ってオンライン入力する ための ID のようなものをもらう必要があるとのことでした。大使館 へ行くことが困難な場合には、電話で一度相談してくださいとのこ とでした。 在外投票をするためには、大使館に行く必要があるため、オンライ ン投票が可能とならないかとのご質問がありましたが、要望につい て検討は行われているものの、具体的な予定はないとのことでした。 参加された皆さんが、行政についても様々なご関心があることが伝 わってくるご講演でした。園部さんからも、何が、いつ、オンライ ンで手続きを行うことが可能かについて、具体的になった段階で話 をする機会があれば、というコメントがありました。僕は心の中で、 オンライン手続きに限らず、大使館の広報活動でお話いただくのは いつでもウェルカムです!とつぶやきました。領事手続きの電子化に 加えて、二水会部講師の「新規ルート」を発見した、実りある11 月 の二水会部となりました!(伊東ノリ)

● 1 月二水会部のお知らせ●

日 時:1月11日(水)午後8時より
演 題:ヴィクトリア & アルバートミュージアムの裏舞台、 修復士(CONSERVATOR)の仕事についてのミニガイド

講 師:バロウ由紀子様

参加申し込み:https://forms.gle/NhK2Qyskyv8u5Vwm8