● 10 月二水会の報告●
日時:10 月 13 日 ( 水 ) 午後 8 時より

講師:横山三加子様

演題:国際会議 取材の舞台裏とニュースの捉え方

会場:ZOOM スクリーン上
参加人数:45 名

毎日新聞の欧州支局から日本にニュースを届けている、現場 の話を聞くことができました。今年開催の G7 では、各国首 脳がコーンウォールに集まった会議の場所と、プレスセンター の場所が 30 キロ以上離れていたということを聞き、セキュリ ティーが理由なんだろうか、と想像しながら、話に聞き入り ました。そこで話し合われた内容は、「ワクチンを途上国含め 2022 年に 10 億回提供する」「G7 の立場としては、中国の力 が強まることを懸念して・・」などなど。聞いているうちに、 ふと僕の友人のアイルランド人が言っていたことを思い出しま した。「何で G7とか言って、開催費用や警備費に税金を何 十億円もかけるんだ。そんな会合は本当に必要なのか?」・・・ 思い出しながら、僕は思いました。なるほど、確かに。アイ ルランドが G7 に参加することは、ないだろう・・・。政治に 批判的な彼の発言ではあるものの、突き詰めて考えてみると、 資本主義国をリードする「先進国」と呼ばれる国が数カ国集 まって、事前に事務方で綿密に打ち合わせ済みであろうストー リーに従って、パフォーマンスをする舞台なのかな、という気 もしてきました。世の中は、学校で勉強した通りに、「正しい こと」が起こるのではなく、「力関係」で動いていく部分が少 なからず(大きく?)あるものだ、などと思いながら聞いてい たのは、参加者の中では僕だけだったかもしれません。

ベネチアで行われた G20 各国財務大臣の会議のお話もありま した。G20 には、中国やロシアなども含まれるということで すので、集まるニュースメディアの数も人数も多いのだろうか、 と思いながらお話を伺いました。中国の習近平は、コロナ感 染を懸念して、オンライン参加の可能性が高いこと、日本の 岸田首相も総選挙のためオンラインでの参加予定など、各国 の「都合」も関係することがわかりました。会議が開催され た部屋とニュースメディアの部屋は隣接していて、コーンウォー ルの G7とは大きく異なっていたとのことでした。フランス、 ドイツの財務大臣がメディアの前に姿を現して各国の取材に応 じていたのに対して、日本の麻生大臣・黒田日銀総裁は、会 議開催場所から 30 分ほど離れたホテルの中で、日本のメディ アだけが入れる記者会見を行ったのみで、他国の記者からも 日 本 に 取 材 をした か ったとの 声 が あったこと が 残 念 だった、 とのお話しいただきました。日本もどんどん海外に発信して いってもらいたいと思いました。

10 月末からグラスゴーで開催される気候変動対策会議 COP26 には、総選挙を終えた岸田首相も駆けつけるのでは ないか、とのお話でした。すでに、ボリス・ジョンソンから岸 田首相に直接の電話があったとのことで、「参加をお待ちして います」と言われ、それはすなわち、日本からの「おみやげ(日 本国内の石炭火力の廃止時期の言明)」を期待している、と 解説いただきました。最近のニュースでも、英国王室のメン バーが積極的に発言していますので、世間的にも関心が高まっ ていると思います。各国の経済的な利害も関係してくることか ら、日本は自国の利益を守りながら思うような主張できるの か、どのような「力関係」が議論の方向性に影響を及ぼすの だろうかという疑問が湧いてきて、さらに国際ニュースを注意 深く見てみようと思いました。 なお、横山さんへの質疑応答の中で、二水会を毎日新聞に載 せてもらえるようお願いをしましたが、「力関係」により難し そうでした。まだまだ、二水会が頑張っていく道のりは長い ことを実感しました。(伊東ノリ)

● 11 月二水会のお知らせ●

11 月二水会のお知らせ (2021)
日時:11 月 10 日(水)午後 8 時より

演題: 福島第一原子力発電所の現状について(仮)