紅葉会部

4月の紅葉会部 懇親会●

映写会『万年時計』

江戸時代の天才が生んだ驚異の機械時計

ゼンマイ仕掛けで1度巻くと1年間動き続け、文字盤が昔の日 本の不定時法に自動対応、太陽と月の動きを天球儀で表し、 二十四節気・曜日・その日の干支・月齢も表示する、和時計と 洋時計の両面を兼ね備えた時計。「そんな時計、あるはずな い」…?それがあったのです!江戸〜明治時代の天才職人・田 中久重(1799〜1881)が1851年に作った「万年時計」(万年自 鳴鐘)です。ほとんどが田中手作りの1000点以上の部品から なり、2006年には重要文化財に指定されました。2004年、この 貴重な時計を現代の技術者100人が分解し、翌年の「愛・地球 博」に向けて復元とレプリカ製作に取り組みました。番組は、 太陽と月の動きを正確に表す仕組み、文字盤のコマを毎日少 しずつ動かす和時計の仕掛け、一年も動かす動力機構という 3つの謎に挑み、その答えを精巧なCGも駆使して説得力豊 かに映像化しました。「ものは、設計した人、作った人の思想の 塊」「田中は妥協せず、高い目標に遮二無二チャレンジしてい る」と語るのは、時計部分を担当した土屋榮夫さん。日本を代 表する時計技術者の土屋さんでさえ、文字コマを動かす独創 的な発想には「考えたこともなかった」と脱帽。田中は「茶運び 人形」「弓曳童子」などのからくり人形で知られ、「からくり儀右 衛門」とも呼ばれました。日本初の本格的蒸気船・凌風丸も彼 の手になるものです。 (2005年 NHKハイビジョン特集より) 昼食後の1時間13分にも及ぶ動画の鑑賞は、途中で眠くなる のでは?と大変心配いたしました。でも、万年時計の素晴らし さと復元プロジェクトの技術者の方々の熱気に圧倒され,最後 には日本のものづくりの素晴らしさに 参加の会員の皆様と 共に胸がいっぱいになりました。この動画はインターネットで 視聴可能です。多くの方に見ていただきたいと思います。「田 中久重の万年時計」https://youtu.be/N35jJKJKRl8 動画鑑賞の後には、みんなの体操で体をほぐしました。閉会 の後、小雨の外に出ますと、随分日が長くなっていて(この日の 日の入りは20:15)驚かされました。

ご存じですか? からくりとは?

か ら く り と は 、日 本 の 伝 統 的 な 機 械 仕 掛 け の 人 形 や 模 型、機械装置のこと。· 語源については、「糸を引っ張って 動かす」という意味の「からくる」という動詞の連用形が 名詞化 されたものです。日本のカラクリの歴史は古く、 文献に見るからくり人形の歴史は、斉明天皇四年(658 年)の「沙門の智踰が指南車を造る」とあり、これがからく り人形の初見とされ(『日本書紀』)、「指南車」がからくり の始まりと言われるゆえんです。また、 斉明天皇660年( 斉明6年)5月、中大兄皇子(後の天智天皇)が「初めて漏尅 (トキノキサミ つまり時計)を造る。と記されています。 江戸時代には、細川 頼直(ほそかわ よりなお、生年不詳- 1796年〈寛政8年〉)暦算家、発明家で通称、からくり半蔵 (はんぞう)とも呼ばれたからくり技術者が、1796年(寛 政8年)にからくりの製作方法などを著した『機巧図彙( からくりずい)』を出版しました。これは、日本初の機械工 学書ともいわれ、からくりの仕掛けを図解したものとし て最も詳細と高く評価されています。田中久重もこの本 に学んだといわれ、後に昭和時代のからくり人形師・玉 屋庄兵衛(7代目)は1969年(昭和44年)に『機巧図彙』を 手本として茶運び人形を完全復元しました。同書の説明 のわかりやすさと正確さに大変驚いたと言っています。

●自彊術●

*紅葉会主催で月に2回、第1、第3月曜日、伊藤恵子さん 指導の元に「自彊術」https://www.jikyou.com を行なってい ます。次回は 6 月に講師が不在の為、5 月 29 日(月)10 時 より行 います。参加ご希望の方は koyokai@japanassociation.org.uk までお知らせください。

● 6 月紅葉会部のお知らせ●

日 時:2023 年 6 月 22 日(木)

講 師:日本文化センター 高橋和也氏に 日本語教育事業についてお話を伺います。

詳細は案内をご覧ください。