渡邉道英氏 ( 享年 81 歳 ) いつもポジティブな考えの人でした。

我らの仲間、渡邉道英さんが 11 月 13 日逝去しまし た。享年 81 歳でした。渡邉さんは、私と同年齢とい うこともあり、何となく同僚、仲間意識という感覚を持っ ていました。

四国の高松出身で東京教育大学 ( 現筑波大学 ) 卒 業後、富士フイルムに入社、その間、京都の大映撮 影所に出向、そこで映画に惹かれて映画製作に没頭、 助監督の地位まで獲得しました。当時は日本の映画の 黄金期で数々の名画制作に携わり、当時のスターたち とも交流を持ちました。彼の映画の知識は深く、ロン ドンに移住してからも写真クラブで映画の知識を披瀝 したばかりではなく、英国日本人会において映画鑑賞 会を開催したり、会報に映画関係の記事を投稿したり しました。 写真クラブはスチール写真が中心ですが、渡邉さん は動画には優れていたかも知れませんが、写真クラブ での腕前はもう一つでした。それでも彼のクラブでの 人気は良く、例会の日を間違えたり、忘年会の場所を 忘れたり、写真のテーマを理解しなかったりしました が、写真クラブの他のメンバーからは「また、渡邉さんが。。。」と、笑って済ませされてしまうことが多々あり、 憎まれない性格でした。 映画に対する情熱は最後まで衰えず、ここ最近は地 元四国の歴史に興味を持ち、中世に瀬戸内海で活躍し た村上水軍やそれを取り巻く話を是非映画にしたいと 熱っぽく語っていました。実際に四国へ出かけロケハン や資料集めを行い、劇映画よりもドキュメンタリータッ チにしたいと決め、実際にシナリオを書き始めていまし た。自身の監督作品としては初めてでしたので、ライ フワークにしたかったと思います。実現できずさぞ残念 だったことでしょう。

渡邉さんはいつもポジティブな考えの人でした。最 近体調を崩し苦しんだようですが、それでも電話での 声は明るく、手術をした後でも、「写真クラブのカレン ダーを作りましょう」、「良くなったらデボンにも行きたい」 などと明るく話していました。心よりご冥福を祈ります。

2022年11月14日 加藤節雄写真クラブ主宰、加藤節雄