福祉コラム
千羽鶴に平和への祈りを込めて
1945年8月6日午前8時15 、広島に原爆投下、14万人が死亡。8月9日午前11時02 、長崎に原爆投下、7万4千人が死亡。両市の被爆者総数は推定60万人。残虐で非道な戦争は、市民の生命と生活を跡形もなく奪い去ったのだった。
あの日から73年。今も核廃絶の動きは依然として鈍い。世界のリーダーたちによって核兵器が葬られることがないのなら、世界中の一般市民の強い願いとたゆまぬ行動力で葬るしかない。
ロンドン北部のビクトリア公園に、一本の桜の木が植えられている。それを囲む柵に「広島長崎被災者追悼記念」という碑銘が英文で刻まれている。今年も地元の英国人有志とJA有志、合わせて40名ほどが8月11日に参集した。公園の近くに住む飛田まゆみ、ミエ子姉妹が音頭をとり、半年かけて千羽鶴が準備された。それを桜の柵に下げ、オリジナルな祭壇が作られた。地元の参加者から「ワンダフル」と喝さいを浴びた。区長の参加もあり、黙祷、詩やエッセイの朗読、コーラスなどによる追悼式がしめやかに執り行われた。
全参加者の平和の祈りを、梅原司平作詞作曲の『折り鶴』に託してお伝えする。
生きていてよかった それを感じたくて
広島のまちから 私は歩いてきた
苦しみをことばに 悲しみをいかりに
きずついたからだで ここまで歩いてきた
この耳をふさいでも 聞こえる声がある
この心閉ざしても あふれる愛がある
はばたけ折り鶴 私からあなたへ
はばたけ折り鶴 あなたから世界へ
生きていてよかった それをみつけたくて
長崎のまちから 私は歩いてきた
この胸のいたみを うた声にたくして
焼けあとの下から ここまで歩いてきた
この耳をふさいでも 聞こえる声がある
この心閉ざしても あふれる愛がある
はばたけ折り鶴 私からあなたへ
はばたけ折り鶴 あなたから世界へ
はばたけ折り鶴 私からあなたへ
はばたけ折り鶴 あなたから世界へ