日本人会会員の皆様
皆様に着任のご挨拶を申し上げてから、 早いもので2年余りが経ちました。 この短い期間でお別れを申し上げるのは大変心苦しいのですが、 この度、 韓国大使館への転勤を命ぜられ、10月初旬に英国を離れることになりました。 この2年間で、世界は様変わりしました。
2年前はコロナ禍からの正常化が大きな課題でした。 オミクロン株対応のワクチン接種のスピード感を見て、「英国もやるときゃやるもんだな」と感嘆したことを思い出します。 しかし、ポスト・コロナの英国経済はインフレにあえぎ、 スト続き。 おかげで自転車通勤という新たな楽しみを得ました。 そして昨年以来のロシアによるウクライナ侵攻です。 足下が溶けていくような目眩を覚えました。国際情勢の地殻変動の行き着く先は、まだ見えていません。
そうした中で、日本と英国の関係は飛躍的に発展しました。 英国のCPTPP加入、日英伊の次期戦闘機の共同開発など、日英は「自由で開かれたインド太平洋」の東と西で手を取り合 うパートナーとなりました。 英国王室のお代替わりに際して天皇皇后両陛下、皇嗣同妃両殿 下をお迎えしたことも、 忘れられない経験となりました。 日本人墓地にお参りしますと、こうした国同士の関係は、長きにわたる先人たちの日英間の 交流の積み重ねの上に成り立っていることに否応なく気付かされます。 総領事として、国の関係の基礎を築き、 固める仕事に携わることができたことを幸いに感じております。
韓国では広報・文化交流を担当する予定です。 これも国民同士の交流 相互理解を進める仕 事です。重要な隣国との関係の発展に、少しでも貢献できればと考えています。 最後になりましたが、 私を暖かく迎えてくださった皆様に感謝を申し上げます。 英国日本人会 のますますのご発展、 皆様のご健勝をお祈りします。
在英国日本国大使館 総括公使兼総領事 川瀬和広