在英日本大大使館領事部 宇山総領事より新年のお言葉

英国日本人会会員の皆様、明けましておめでとうございます。皆様それぞれ良い新年をお迎えになったことと存じます。

昨年英国では、ハリー王子の婚約やカズオ・イシグロさんのノーベル文学賞受賞といっためでたいこともあれば、テロの度重なる発生、6月の総選挙以降の政治の不安定化など、良くないニュースもいろいろありました。しかし、こと日英関係については、春の安倍総理訪英、8月末のメイ首相訪日など両国首脳や多数の閣僚の訪問が行われ、経済、安全保障、文化等あらゆる面で関係強化に弾みがつきました。英国における桜の植樹構想が、佐野会長はじめ関係者のご尽力により、共同声明において両首脳に歓迎される運びとなったことも特筆すべきでありましょう。昨年種が蒔かれたこの植樹プロジェクトを、今年は芽が出るように育てていきたいものです。

今年は明治維新150周年でもあります。1860年代に英国に留学した長州五傑をUCLのウィリアムソン教授が温かく受け入れたことや、明治政府のお雇い外国人の半数以上が英国人であったことなど、日本の近代化に英国が大きな役割を果たしたことにあらためて思いを馳せてみる良い機会です。今年英国のEU離脱交渉が正念場を迎える中、150年前の貢献への恩返しというわけではありませんが、日本として英国に注文をつけつつも寄り添っていくことが大事ではないかと思います。英国日本人会のこの国に根ざした活動も、良好な日英関係の発展を支える意義深いものであると考えます。

また、日英交流史の中で英国に骨を埋めた先達同胞が多数いたことも忘れてはなりません。今年創建82年となるヘンドンの日本人墓地を守っていただいている英国日本人会の関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

墓地の管理のみならず、福祉部や様々な懇親会・同好会の活動、そしてジャパン祭りへの貢献など、英国日本人会の会員の皆様の大変精力的な活動には目を見張るものがあり、私はいつも皆様から元気をいただいております。この2018年、皆様がお元気で幸せに過ごされますよう、心から願っております。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。