オバサン・パワー瀕死の過疎地を再生

日本の国立人口問題研究所の国勢調査の 2010 年の 人口統計は1億 2800 万人だった。それが 40 年に は 16%も減少し、1億 700 万人に縮小すると試算 している。地方の過疎化問題は深刻さが加速してい る。徳島県も例外でなく、人口減少のうねりに歯止 めがきかない。今、脚光を浴びている上勝町も、山 間部という地理的条件で厳しい状況に喘いでいる。 1950 年に 6500 人だった町民が現在は 1600 人 余り、そのうち 65 歳以上が半数を超え、町ごと消 滅の危機に立たされていた。 こうした悪条件を逆手にとって、過疎地を再生した 元気オバサンたちの奮闘ぶりがメディアを賑わして いる。彼女たちの日常を支えている「葉っぱビジネ ス」の仕掛け人は横石知二氏。30 年前に同町の農協 に指導員として就職した。当時は、ミカンと林業が 主産業だったが、高齢化や若者の転出などのマイナ ス要因が重なり、急速に斜陽化していった。「何と か存続させなければ。」と横石氏は日夜考えをめぐ らせた。ある日、大阪の料理屋で目にした光景にひ らめきを覚えた。料理に添えられた、赤いもみじの 葉を「可愛い!」「素敵!」と、若い女性たちが持 ち帰っていたのである。「そうだ、葉っぱを売ろ う」。思い立ったら即実行の横石さん。地元の住民 に早速相談したものの、「与太話だ」と全く相手に されなかった。「葉っぱビジネス」が高齢オバサン の間に根を張るまでは、膨大な時間とエネルギーが 費やされ、数々の試行錯誤 を重ねた。横石氏のプラス 思考と粘り強さが功を奏し、 高級料理店向けに葉っぱを 売る「いろどり」事業は、 日本全国に販路を広げ、確

実に根を張っていった。 「真の高齢者向け福祉とは、 高齢者を老人ホームに閉じ 込めることでも、薬漬けに することでも、一日中家で過ごさせることでもあり ません。元気な間は仕事を続けよう、と、社会貢献 につながる役割を提供すること。それこそが地域全 体の活性化につながるのです。 それこそが究極の福祉政策です。」と横田氏は力説する。事業資金の 過半は、町が出資している。現在、全国シェアは8 割に達し、輸出も手掛けているという。200 軒に満 たない農家の約 350 人がビジネスに従事し、早朝か ら PC 画面を睨んでは、頭と体をフル回転させてい る。彼らの平均年齢は 70 歳、最高齢は何と 94 歳 という。

「自分を賭けることで力が出てくるんだ。能力の限
 界を考えていたら何もできやしない。」岡本太郎
     (太陽の塔を制作した芸術家)